月は、記憶を映し出す鏡。 満月の夜、月明かりの記憶を継ぐ者たちが集う。 丘の上で、月の中に「炎の鳥」を見る孤独な少年リオ。事故で家族を失い、月の中で「泣く少女」を見続けてきた少女ミナ。そして、月の模様が見えない代わりに、世界の「空白」を読み解く少年カイ。 互いに大切な人を失った後、この不思議な光景を見ることになった三人は、月の模様が動いた夜に鳴り響いた古い神殿の鐘の音に導かれ、運命的な出会いを果たす。 月の神官から、彼らがそれぞれ「希望」「安らぎ」「真実」を継ぐ者だと告げられた三人は、世界のすべての記憶が眠る「月の記憶の源流」を目指す旅に出る。 それは、自分たちの悲しみと向き合い、失われた記憶を取り戻すための旅。 しかし、彼らの行く手を阻むのは、月の記憶を「忘却」させようとする謎の存在だった。 炎、涙、そして空白。 三つの力が一つになった時、隠された真実が明らかになり、すべての物語が語られる。 これは、喪失と再生、そして絆を紡ぐ、壮大な記憶の物語。